ソニーのBluetoothイヤフォン(MDR-EX31BN)を購入したので、今回は「MDR-EX31BNは、Bluetoothイヤフォンの傑作MW600の後継機になれるか?」という視点でレビューしていきます。
もちろん使い勝手や音質についてもレビューしますが、当ブログではMW600の後継機として相応しいのかに重点を置きますので、MW600からの買い替えを検討しているユーザーにも参考にしていただければと。
Amazonレビューでは評判の良いMDR-EX31BNですが、神機の後を継ぐに相応しいのでしょうか。
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名機MW600と後継機を探すことにした理由
MW600とは2010年、ソニー・エリクソンから発売されたBluetoothイヤフォン(レシーバー)です。
Bluetoothを受信するレシーバー部分とイヤフォン部分が着脱可能なため後からイヤフォンの交換が可能、シンプルで無駄のないデザイン、音質も良いときてヒットしました。
一番特徴的だったのは「時代を先取りしすぎた、本体側面を撫でて音量を操作するという無駄に尖った操作性」でしたが、その使いづらさも含めてユーザーからは深く愛されていました。
かくいう私も、MW600が故障したら迷わず同じ機種を買うくらいには信者だったのですが、発売から年数が経ち、購入すること自体が難しくなってからは後継機種を探しています。
その後、紆余曲折を経てNW-M505というBluetooth機能付きのウォークマンに乗り換えました。
これはこれで気に入っていたのですが、数年使っているうちに音の途切れやノイズが発生するようになってしまいまして…。
原点回帰も兼ねてMW600の後継機に相応しいBluetoothイヤフォンを探すことにしたわけです。
購入条件はこんな感じ。
Bluetoothレシーバー(イヤフォン)であること
値段は1万円以下
出来ればソニー製(MW600の後継機として、出来れば同じメーカーを…)
レシーバーとイヤフォンが着脱可能であること
AACやapt-Xなど、高音質コーデックには一通り対応していること(出来ればLDAC対応が良い)
MW600への想いと後継機種探しについては、こちらで詳しく書きましたのでよければどうぞ。
このレビューを書いていますので結局MDR-EX31BNに落ち着いたのですが、今のところ非常に満足しています。
MDR-EX31BNのレビュー
では本題の製品レビューに入りましょう。
MDR-EX31BNは2013年にSONYから発売されたBluetoothイヤフォン(レシーバー)で、2017年現在も現役で販売されています。
音質
一番気になるのはやっぱり音質ですよね。
実際に聴き比べてみた結果ですが、同じソニーということで、基本的には近い音質であると思います。
ソニーの特徴と言われているドンシャリ(重低音に強い)タイプではなく、低音、高音ともにソツのない優等生タイプの音質という印象です。
重低音は専用の別のラインがあるのでそちらで追求しているのでしょうね。
MW600からそれなりの年数も経過していますし、音質の向上も期待していたのですが、J-POP、アニソン、クラシックなど聞いてみた限りでは目立った差は感じられませんでした。
Bluetooth自体が音声をワイヤレスで飛ばすためにかなりデータ量を圧縮しているので、レシーバーかアナログ的な部分(イヤフォン)に相当お金をかけない限りは大幅な音質アップは難しいと思われます。
逆に、イヤフォンを高級モデルに交換すると飛躍的に音質が向上するというポテンシャルを秘めています(これはMW600の時から変わりません)
ともかく初期状態では「同じ価格帯、同じメーカーではまあこんなものだよね」という感想でしょうか。
驚きも落胆もありません。
(MW600との比較では、後述するノイズキャンセリング機能の方がありがたいと感じます)
もちろん音質が劣化したわけではないので、MW600の音質に満足できていたのであればMDR-EX31BNでも全く問題ないとも言えますね。
■MW600の後継機として相応しい度:★★★★
(同等の音質で不満はなし。後継機ということで音質が向上してたら嬉しかった)
接続性(ペアリング時間、BT接続が切れないか)
iPhone7 PlusとのペアリングですがMDR-EX31BN側の電源をONにして5秒程度で接続が完了しています。 MW600でもそれほど遅いとは思いませんでしたが、前回まで使用していたM505はペアリング開始までの時間が長いという弱点(10秒以上かかった)があったので、こちらはとても良いと思います。
Bluetoothレシーバーとしてはとても安定していて、今のところBT接続が切れたことは一度もありません。 とても優秀だと思います。
ただし、最近まで使用していたM505も購入当初は接続が切れるなんて一度もなかったのに、数年使い続けるうちに頻繁に接続断が発生するようになりました。 こればかりは年単位で使用しないと最終的な判断は出来ません。 (Amazonレビューで数年使い続けてまた同じ機種を買っている強者もいるので大丈夫そうですが)
■MW600の後継機として相応しい度:★★★★★
(接続開始までの待ち時間も短く、接続自体も安定しているので不満なし)
操作性
残念ながら、音量の操作は普通のボタン式です。
いや、残念ではない。何を言っているのだ。正気に戻れ。
曲名やバッテリーの残量を確認するための液晶ディスプレイがないことが非常に残念です。
じゃあバッテリー残量はどうやって確認するの?
「電源ON直後にLEDが何回赤く点滅するか」で確認します。 何それモールス?
この小さい赤色LEDが三回点滅すれば満充電、一回だと充電が必要という判断をします。
MDR-EX31BNとMW600を比較した時、EX31BNの方が明確に劣っていると断言できるのはこのディスプレイ非搭載くらいなので非常に惜しいです。
実際に使ってみるとそれほど不便というわけでもなく、すぐに慣れるのですが…確認しやすい液晶画面はあった方がいいに決まっています。
たとえ白黒液晶であってもディスプレイさえ搭載されていれば、この記事もここで終了して「とにかく買い! 以上!」と断言していたと思います。
面白いのは、本体前面にある「電源・再生・通話」兼用の丸ボタン。
液晶ディスプレイがない分スペースが確保できることもあって、かなり大きめのボタンです。
これが胸ポケットやズボンのポケットに入れたままでもすぐに再生ボタンの位置が分かるので重宝します。良いデザインだと思います。
■MW600の後継機として相応しい度:★★★
(液晶ディスプレイ非搭載が痛いが、大きな再生ボタンなど通常使用では問題なし)
バッテリーの持ち
購入直後のためまだまだ元気。 これから数年かけて徐々に劣化していくものと思われますが、一日に電車の中で2時間ほど使用して、充電なしで3日は余裕でもちます。
■MW600の後継機として相応しい度:★★★★
(3日はもつので不満はないけど特筆すべきところもなし)
コストパフォーマンス
極めて良いです。 実は今回購入に踏み切ったのも半分はコスパが良かったからです。
発売当初は11000円くらいしたようですが、今はだいたい8000円ほど。安い店であれば7500円程度です。
もともとM505の音切れを改善するためにイヤフォンだけ新品に買い換えるつもりだったのですが、今だと単体のノイズキャンセリングイヤフォンが4700円くらいするのですよね。
同クラス(というか、恐らくモノは同じ)のノイズキャンセリングイヤフォンにBTレシーバーが付属して7500円と考えると、かなりお得です。
今後もイヤフォン単体で買い換えるくらいなら、新品のBTレシーバーが付属してくる分確実にこちらを買います。
■MW600の後継機として相応しい度:★★★★★
(発売当時から見ても値下げされており、MW600同等のコスパ。素晴らしい)
ユーザーに愛されているか
超愛されていました。
Amazonレビューでも450件ものレビューが投稿されており、★4つをキープしています。
2013年発売の製品であるにも関わらず、今年になってもレビューが投稿されていることもポイント。入れ替わりの激しいデジタル製品の中でこれだけ長く売れ続けているのは凄いです。
■MW600の後継機として相応しい度:★★★★★
(かなり愛されている。MW600同様、長い間売れているのもポイント)
拡張性
Bluetoothレシーバーとイヤフォンが着脱可能になっているかです。
これは可能か不可能かの二択しかないのでまずは結論を。
着脱(交換)可能です。
はい完璧。 イヤフォンのケーブルが断線したり故障した時も交換するだけで済みますし、音質に物足りなくなったら高級イヤフォンに交換することも出来ます。いやもう着脱式じゃない製品とかあり得ない…
コストやデザインの関係でレシーバーとイヤフォンが一体型になっている製品もありますが、私は交換可能でなければ購入出来ません。音質はともかくイヤフォンケーブルの断線はしばしば起こるので。
■MW600の後継機として相応しい度:★★★★★
(当たり前のことを当たり前に実現してくれているありがたさ)
MW600から進化したところ
さて、ここまでを総括すると、「音質、操作性ともに良好だけど、ディスプレイ非搭載な分、惜しくもMW600には及ばない」ということになります。しかしここでノイズキャンセリングの搭載が効いてきます。
ソニーのポータブルオーディオ製品では数年前から搭載されている機能ですが、電車や騒がしい場所での効果は抜群です。 とくに電車内では音楽のボリュームを上げることなく、電車の「ゴー」というレール音(?)や「ゴト…ゴト…」という振動音(?)をハッキリと分かるほど低減してくれます。
ボリュームを上げて周囲の音をかき消すのは耳が疲れますし、長時間音楽を聞く鼓膜を保護する意味でもありがたい機能です。 アナウンス音などは聞き取れるのでそれも含めてノイズキャンセリングは必須にしていただきたいところ。
■MW600の後継機として相応しい度:★★★★★
(MW600にはなかった機能で、とても便利)
【番外】ハイレゾ・LDACには対応している?
残念ながら対応していません。
発売時期が2013年10月なので仕方ないことではありますが、最新コーデックの採用であれば音質も向上しているので、出来れば対応してほしかったですね。
もしMDR-EX31BNの後継機が発売されてLDACに対応していれば、これはもう文句なしに全方位にお勧めできます。
LDACについては最新のAndroidでも正式採用されるので、今後の普及が期待されます。
【参考】Android 8.0のLDAC対応で、スマホのワイヤレス音質が次のステージへ! - スマホとデジ生活
■MW600の後継機として相応しい度:- (MW600もLDAC非対応なので判定なし)
【まとめ】MDR-EX31BNはMW600の後継機になれるか?
個人的には完璧ではないけど十分後継機を名乗れるレベルだと思います。
MW600に近いけどディスプレイがない分、若干操作性ダウン → その分ノイズキャンセリング搭載で総合的な価値はUPというところです。
ノイズキャンセリングを全く使用しない場合でも、値段と音質、性能のバランスが良く、イヤフォン着脱式のBluetoothレシーバーとしての素性の良さは折り紙つきです。
後はMDR-EX31BNの後継機がLDACに対応して小型ディスプレイが付けば究極のBluetoothイヤフォンが誕生するのですが。 ソニーさんよろしくお願いします…どうか…どうか…
■MW600の後継機として相応しい度:★★★★
(十分MW600の後継機を名乗れる。LDACやディスプレイなど惜しいところは更なる後継機の楽しみに残しつつの★4つ)
ソニー SONY ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン MDR-EX31BN : カナル型 Bluetooth対応 レッド MDR-EX31BN R
- 出版社/メーカー: ソニー(SONY)
- 発売日: 2013/10/25
- メディア: エレクトロニクス
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カラーリングはこのレッドが無茶苦茶カッコいいのでブラックにするかレッドにするか最後まで悩みました…
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