10月にソニーから発売される話題のBluetoothヘッドフォン「1000Xシリーズ」。
発売前でもソニーのショールームなら試聴できる? じゃあ行こう!ということで、今回はWH-1000XM2を含めた1000Xシリーズ試聴レポをお送りします。
体験してきたのは以下の3機種です。
前機種で好評だったノイズキャンセリング機能にさらに磨きをかけてきたハイエンド、WH-1000XM2
ネックバンド型でもハイレゾに対応したWI-1000X
AppleのAirPodsへのライバル心が剥き出しWF-1000X
この3つの中では、「さらに完成度を増した最強のBluetoothヘッドフォン「WH-1000XM2」は買いか?」でも書きましたが、WF-1000XM2はすでに予約済みです。
WF-1000XM2の音質とノイズキャンセリング能力についての不安は全くありませんが、気になっていたのは本体の強度でした。
壊れやすいと噂の繋ぎ目パーツが改善されたのか、ばっちり確認してきたので気になる方はチェックしてみてください(後述しますが、残念ながら『改善なし』です)。
この記事が1000Xシリーズの購入検討の参考になれば幸いです。
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【目次】
- 【WH-1000XM2】やっぱり凄かったノイズキャンセリング機能
- 【WI-1000X】意外な伏兵! 試聴して一気に欲しくなったネックバンドタイプ
- 【WF-1000X】完全ワイヤレスはまだ発展途上? 次に期待したい野心作
- まとめ
【WH-1000XM2】やっぱり凄かったノイズキャンセリング機能
まずは一番気になっていたWH-1000XM2から。
MDR-1000X同等の高音質
ハイレゾで洋楽、アニソン、J-POPを試聴。やっぱり音質は良いです。
1000Xシリーズは低音を強調したいわゆるドンシャリサウンドではなく音の解像度を高める方向です。
楽器やボーカルの音が一つ一つ聞き分けられてとても好みの音質です。グッド!
ただし「旧機種MDR-1000Xから更に進化したか?」と聞かれると、少なくとも私の耳では違いは分かりません。
「同じくらい良かったよ!」という答えになります。
旧機種から音質には十分に満足だったのですが、音質にこだわる場合は実際に違いを確認してみてください。
圧巻のノイズキャンセリング能力
もうね、凄いんですよ、やっぱり…
視聴しているすぐ隣でスタッフのお姉さんとお客さんが会話していたのですが、音楽を再生した瞬間から二人の声が聞こえなくなりましたから。
大音量で話し声をかき消したのではありません。普通に音楽を楽しむためのボリューム設定でした。
なにを言っているのかわからねーと思うが俺もわからねぇ…という状況です。
これならカフェとかファミレスで作業も安心、店内がどれだけ騒がしくても集中できます。
外で読書やPC作業をするならWH-1000XM2は最強の相棒ですね。
これだけ強力だと外の音が聞こえなくなる不安もありますが、そのあたりはスマホアプリも使って最適化できる…
…ようなのですが、今回は試せませんでした。残念。
本体の作りは旧機種と同じで強度に不安かも?
ひそかに期待していたヘッドフォンの継ぎ目パーツの補強ですが、写真の通りで変化ありませんでした。
見た目も、触ってみた感触もMDR-1000Xと同じです。
本体の強度アップは次機種に期待しましょう。
【WI-1000X】意外な伏兵! 試聴して一気に欲しくなったネックバンドタイプ
次はネックバンド型のWI-1000Xです。写真のように本体が輪っかのようになっていて、首にかけるタイプですね。
このタイプの利点は本体を胸ポケットに入れる必要がないこと、完全ワイヤレスと違って首掛け部分にバッテリーを搭載できるの再生時間が比較的長いことです(10時間)。
音質についても、ネック部分にチップを搭載できるので完全ワイヤレス型より優れています。
そしてWI-1000Xではきっちりハイレゾ級コーデックのLDACに対応してきました。
ヘッドフォンタイプと完全ワイヤレスタイプの中間に位置する製品ですね。
これを中途半端と捉えるか、両方の良いとこ取りと考えるかは人によりますが、私は素晴らしいと思いました!
この丁度良い感じ、実に良いものだ…!
想像以上の高音質と気遣いの行き届いたイヤフォンコード
まずは音質から。
さすがにヘッドフォンタイプには及びませんが、通常サイズのイヤフォンであれば十分すぎる高音質でした。
当日持ってきていたMDR-EX31BNより間違いなく高音質です(これはこれで名機なのですが)。
ワイヤレスハイレゾにも対応しているし、「気軽に持ち歩きたい、毎日の通勤で使いたい」という用途ならこれがベストかも…とすら思いました。
とくに良かったのがイヤフォンコードを本体に収納できること。
分かりにくい写真で申し訳ないのですが、イヤフォンのケーブルがギリギリまで、本体のネックバンド部分にあるミゾに収納できるようになっているんですよ。
余分に伸びたケーブルが絡まらない工夫です。
これが地味にありがたい…!
本体も軽量で、首にかけるとまったく重さを感じませんでした。
試聴に行くまでノーマークでしたが、これは予想外に名機種でした。
仕方ないけどイヤフォン交換が出来ないのは残念
本体の形状から考えて、一般的なイヤフォンと交換するのはほぼ不可能なのは分かります。
これは一体型として考えるべきなのです。それは仕方ないのですが…
細いイヤフォンコードや小型のイヤフォンだとどうしても故障した時のことを考えてしまって、そこだけが不安でした。
逆に、イヤフォンだけを交換したいと思わない場合は文句なしに素晴らしい機種です。
【WF-1000X】完全ワイヤレスはまだ発展途上? 次に期待したい野心作
最後は完全にAppleのAirPodsへのライバル心が溢れ出してとまらないWF-1000Xです。
この「真正面からAirPodsと競ってやんよ!」と言わんばかりの勢いが大好きです。
一番人気で試聴のための行列ができるほど
WF-1000Xの試聴コーナーがショールームでも一番人気があって活気にあふれていたように思います。
なにしろWF-1000Xだけ体験希望のお客さんが行列をつくっていたほどです(並びました)
ソニーとしても一番力を入れて宣伝している感がありますし、期待を背負った商品なのがヒシヒシと伝わってきます。
それでは試聴した結果にいきましょう。
…正直なところ、それほど魅力を感じませんでした。
もっとハッキリいうと、これならAirPodsで良いかなと思いました。
音質は良かった
WF-1000XはLDACに非対応なので一般的なAACで試聴しました。
音質は思ったよりも良かったです。
ドンシャリでもないし、安っぽさもありません。
ソニーの一般的なBluetoothイヤフォンの音質を想像してもらえれば、そう外れていないと思います。
「これは高音質!」というわけではありませんが、音楽を気軽に楽しむのに十分なクオリティでした。
意外と大きかった本体
これは欠点というわけではないのですが、比較となる相手が悪かった…
完全ワイヤレスイヤフォンとして、大きすぎる、重すぎるということはありません。
ですが、AirPodsの対抗としては平凡すぎるサイズなんです。
完全ワイヤレスで勝負するのであれば、もっと小さくするかデザインに特化してほしかったところです。
ノイズキャンセリングは並レベル
ある意味で一番残念だったのがノイズキャンセル能力です。
WF-1000Xの最大の個性は「完全ワイヤレスイヤフォンなのにノイズキャンセリング対応」ですが、それほど高い効果ではありませんでした。
体験ブースではノイズ削減効果を実感するために新幹線のガタゴトという音をスピーカーで流してくれているのですが、結構がっつり雑音が聞こえます。
周囲の雑音に、厚めのカーテンを一枚ほど挟んで聴いているイメージです。
たしかにノイズのボリュームは減るのですが、このくらいの効果なら密閉タイプのカナル型イヤフォンでも実現できそうでした。
完全ワイヤレスイヤフォンでノイズキャンセリング対応というコンセプトはとても心惹かれるのですが、実際に使ってみると、まだ進化の途中なのかなという印象です。
AirPodsと比較してどうか
AirPodsと較べて「音質は同じくらい、ノイズキャンセリング搭載だけど効果はそこそこ」という、ちょっと決め手にかける惜しい機種だと感じました。
LDACにも対応していないので、あえてAirPodsではなくこちらを選ぶとしたら、「ソニーが好き。デザインが気に入った」という理由になりそうです。
目立った欠点はないので、ソニー製品やデザインが気に言って購入して後悔することはないと思います。
まとめ
試聴してきた感想をまとめると、
やっぱりWF-1000XM2の音質とノイズキャンセリング能力は最高。予約しといて良かった!
WI-1000Xは思ってた以上に素晴らしい。普段使いのBluetoothヘッドフォンとして名機かも
WF-1000Xのコンセプトは好きだけど、音質やノイズキャンセリングはまだ発展途上
という感じでした。
WF-1000XM2は期待通りに素晴らしかったのですが、WI-1000Xのできの良さにも痺れましたね。
これ、イヤフォンの交換にこだわりがなければ本当に良い機種です。
そして今回ちょっと残念だったのがWF-1000X。
完全ワイヤレスイヤフォンが便利なのは間違いないのですが、音質もノイズキャンセリングもまだ未完成という印象です。
ですがまだ始まったばかりのジャンルなのでこれからの進化に期待です。
それにしてもBluetoothオーディオ楽しすぎてヤバイ…。
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